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2008年08月31日

The Fake of Beijing 南京虐殺を認めないのに北京を礼賛するNHK

▼開会式前に外国人クライマーたちによって掲げられた抗議の幕
freetibet@pejing.jpg虐殺オリンピックとも言われていた北京五輪が8月24日に閉幕した。五輪会期中は五輪について書く場合はなるべくスポーツの範疇でと思っていた。スポーツを見るという視点でスポーツを語るのなら、スポーツの範疇で五輪のことを書かなればならないからだ。スポーツを批評する行為が成立する前提にはこの鉄則が必要になり、スポーツをスポーツの範疇で語るという原則があるから、それを前提に批評行為が成り立つ。

しかし、五輪はスポーツの祭典であるにもかかわらず、北京五輪の聖火リレーが示したように、政治とは不可分のもので、時として政治の舞台にもなる。特にワールドカップ(通常ワールドカップとはサッカーW杯を指す)や、フォーミュラ1(F1GP)、五輪のような世界的なビッグイベントでは、その傾向が顕著になる。
 それはスポーツが決して政治と切り離せないものであるという一面を示しているが、問題は、それらビッグイベントの出来事や何かの現象を見るときに、これはスポーツの範疇の問題なのか、あるいは政治の範疇の問題なのかという、それぞれのケースでの判断が重要になるということだ。

▼夜間の抗議活動も即刻検挙された。
free_tibet@08beijing.jpgつまり、この事象はスポーツの領域のものなのか、政治の領域のものなのかという判断を下しながら、論じたり報道する必要がある。それができないと、スポーツと政治をゴチャゴチャにする誤った見解が大手を振るうことになる。
特に何事にもイデオロギーが優先する全体主義国家ではスポーツに忍び寄る政治主義がスポーツや文化の敵となる。その典型的な例が今回の北京五輪だった。
IOCがスポーツの魂を全体主義の虐殺者に売り渡したことが北京五輪の本質だったのだから、聖火リレーから大きな抗議に世界中で曝されたのは必然だった。

▼北京五輪を象徴するマラソンのシーン
genosideolympic.jpgそんな時によりによってダイヤモンド社が運営する情報サイト、「ダイヤモンドオンライン」が谷口源太郎氏の古色蒼然としたコラム、星野ジャパン人気に見る「偏狭ナショナリズム」という脅威を掲載した。谷口氏の論説への反論は日刊スポーツ連載コラムの最終回、「宴の後から見えた透視図」に書いたので、そこで書ききれなかったことを今回書く。

それは、谷口氏のコラムが、現在の日本のメディア状況を表すという点で非常に象徴的だったことだ。なぜなら、谷口氏のような前時代的な思考に囚われた人がまだいるのかという驚きより、平然とこの論説を掲載するメディアが存在することの方が大きな意味があるからだ。つまり、谷口氏のコラムの内容は、今時の高校生でもまともな子供なら完全に論破できる程度のものだが、それを掲載するメディアの存在はファンタジーではない。その厳然とした事実が問題なのである。

そういう意味でも、北京五輪で気づいたもう一つ重要なことは、NHKがこれほど支那共産党の統制下にあることを、何ら恥じることなくあからさまにしたということだ。アサヒ新聞やテレビ朝日でも、ガス抜きとアリバイ証明のためにチベット問題やウイグル問題、それに支那の超格差社会と経済不安を取り上げていたが、NHKには全くその視点がなかった。
「中国5000年の歴史」を誉めそやすだけのメディアにNHKは落ちぶれたのだが、いつから5000年になったのか? 韓国も日韓ワールドカップの時に開会式で金大中大統領が「5000年の歴史」と言って失笑を買っていたが、さすが同じ文明圏だ。そもそも「中国」という言葉を中華民国、中華人民共和国の略称と考えても、歴史は60〜100年の歴史である。支那の歴史というなら、4000年が妥当である。

6月4日のエントリー、「6月4日は天安門事件記念日。NHKは南京虐殺を否定していた。」で指摘したとおり、NHKは南京虐殺を否定していた(笑)。それだけのまともな知性があるなら(もちろん皮肉)、なぜ、これほどまでに北京の奴隷としてCCTV日本支局のような報道しかできなかったのであろうか?
「外国メディア 中国の現状座視のIOCへ不満」という記事も出るには出たが、日本のメディアは何をしていたのだろうか?

▼開会式の中華自爆。漢民族が他の民族を抑圧・支配することを表現してしまった。
china-ethnic-olympic.jpgそもそも、メディアの北京五輪批判は産経以外全部が腰が引けていた。米国ではワシントンポストが3月26日に書いた「Olympic Shame」(五輪の恥)という強烈な社説が先駆けだった。リベラル紙の面目躍如という論説で、チベット、ウイグル、ダルフールに言及しながら、支那の現在の体制ではスポーツをスポーツとして成立させられないのではないか、と書いている。
最近、日本でもリベラルという言葉を使う人も増えたが、日本に真のリベラル勢力はいない。もちろん、リベラルメディアなど皆無である。何度か言及しているが、日本にリベラルという概念が定着する時は、今保守と呼ばれている勢力の一部が中心となるであろう。リベラル、進歩主義、革新という概念が嘘だったことが明らかになって20年近く経つのだから、保守という概念も再構築されなければならないし、日本的なリベラルは現在の言葉で表現すれば、恐らくリベラル保守とでも言えるのではないか。

ところで、NHKの天安門事件と南京に関連して笑い話を。多くの読者の方からいつも貴重な情報やご意見など有益なメールを頂いているが、その中で6月4日のエントリーに脊髄反射して、えらく興奮している人間がいるとの情報があった。

ブログで私を誹謗中傷しているとのことだが、このエントリーにどう反応するのか興味がある。どうせなら、そんな人もここへトラックバックするなり、コメント欄に書き込めばいいのに、とお返事を出したら、その種の人間は同じ趣味の人間が集まる、まともなコメントもトラックバックもできない閉鎖的なネット空間で鬱憤を晴らしているだけとのこと。彼の話では、その種の人は「2ちゃんねる」以下と言ったら「2ちゃんねらー」に失礼だが、完全に「2ちゃんねらー」以下の存在で、ネット蛆虫と呼ぶそうな。

▼時折、名作「The Fake of Nanking」を見直すことも重要。


さて、北京五輪で誇れること。ソフトボールのピッチャー、上野由岐子が、「ESPN」で北京五輪参加の全選手を対象とした批評で、最高の女性選手に選出されている。北京五輪の全女性選手の中で最高のアスリートという評価なのだ。これは、まさにスポーツをスポーツとして評価するという基準で与えられた、最高の栄誉である。伝統あるスポーツ専門テレビ局のESPNの評価なのだから誇りにするべき。上野選手に心からおめでとう!と言いたい。

▼北京五輪ボイコットを呼びかける動画。今年になって世界中で非常に多くの人が見た。


▼Silent Protest at Zenkoji - Free Tibet TAMAGAWABOAT氏の名作だが、この種の情報の伝播が、メディアの新しいパラダイムを形成するはずだ。


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※日刊スポーツコムに連載していた「北京五輪の透視図」はここで。

最後にコラム連載中の6月9日に読者から頂いたメールをご紹介する。
初めてメールします。普段は金融担当の証券アナリストをしています。
日刊スポーツホームページのコラム「四川大地震で何かが変わったのか」を読みました。ハッとさせられました。そう。チベットの記事が消えている。ダライラマの演説なんてあったことも報道されていない。

仕事がら海外出張に行くのですが、05年秋にロンドンで面白い経験をしたことを思い出しました。ちょうど日本は郵政民営化問題さなかの衆議院選挙、米国はハリケーン・カトリーナ災害の頃でした。ホテルでTVを見ていると、CNNはハリケーンの報道ばかりで「世界的な災害で世界は助けるべきだ」と叫び、NHKは自民党大勝を繰り返し報道、地元BCCはクリケットの試合(5日間かかるらしいです)を一日中報道していました。

その中で欧米には悪名高いアルジャジーラだけが台風も日本の選挙もその他のニュースも均等に報道していました。各国の報道が偏っていることを再確認する中で、あるべき報道の姿をアルジャジーラに見つけて、それがアルジャジーラであることに意外感(真の姿も知らなかったですし)を持ちつつホッとしたことを覚えています。

日本の報道は米国ほどではないですが、やすきに流れます。仕事がら各新聞・TVの経済部の記者とは付き合いがありますが、少なくとも経済部記者は自分の意見に偏った記事を書く傾向がありますが、勉強不足の記者が多く視野が狭いために記事が偏ったり、ときにデタラメになる。
チベット記事が消えたことの背景も視聴率・世間の話題を狙いたくなる事情以外にも、骨のある、というかキチンとした知識と見解、報道者の心得などがしっかりした記者やそれを許す上層部などがいないことも背景にある気がします。

西村さんのホームページ、初めて来てまだほとんど読んでません。もしかすると私の父同様、権力あるいは権力により事実を捻じ曲げる日本や中国の政治の世界に対する嫌悪感が強く、ある意味ニュートラルじゃないかもしれませんね。でも世間と報道が迎合的なら多少行き過ぎぐらいの報道姿勢があってよいと思います。
少なくとも視聴者・読者の判断材料の一つになりますから。いつも読むほど時間は無いですが、たまに読ませていただきます。いい視点をありがとうございました。


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2008年08月15日

福田首相と加藤紘一は、有本さんのこの声を聞け!

mad_katoh_kohichi.jpgいささか旧聞めいて恐縮だが、加藤紘一が7月7日に「拉致被害者は北朝鮮へ返すべきだった」と言ったことが話題になった。しかし、安倍内閣の閣僚発言が一昨年から昨年にかけてメディアに大騒ぎされたことに比べると、大した騒動にはなっていない。

最近の例では、8月10日のNHKの討論番組で太田誠一農水相が「消費者としての国民がやかましくいろいろ言う」と言ったことが問題視されたが、これもおかしい。むしろ、この番組で高村外相が言った言葉の方が問題視されるべきで、太田農水相の発言よりはるかに重大である。
再調査着手で制裁一部解除へ 拉致めぐり高村外相

 高村正彦外相は10日のNHK番組で、11、12日の両日開かれる日朝実務者協議に関連し、両政府が合意した方法に従って北朝鮮が拉致被害者の再調査に着手した段階で、経済制裁を一部解除する考えを示した。
 高村氏は「生存者発見のための調査のやり方が定まり、調査着手を確認した段階でごくわずかに制裁を緩和する。行動対行動であり『あなたたちは行動しなさい。私たちは約束した事をやらない』では外交は進まない」と述べた。
 一方、外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長は10日午後、日朝実務者協議に出席するため、成田空港発の全日空機で中国・瀋陽に到着した。
 協議では、6月の前回協議で合意した拉致被害者に関する再調査の方法や時期など具体的内容をめぐり議論する。北朝鮮側は宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使が出席する。
 日本側は、北朝鮮による再調査の内容を日本が随時点検できる方法を求める構え。日航機「よど号」乗っ取り犯グループ関係者の引き渡し協力でも進展を促す考えだ。
2008/08/10 14:14 【共同通信】

どう考えても、まともなメディアがこの番組を取り上げるのなら、太田発言より高村発言の方を重要視するはずだ。つまり、日本にはまともなメディアがない、ということなのである。

▼7月5日渋谷、表参道で行われたデモ行進 連合国(国連)大学前
RIMG3045.JPGしかも太田発言をことさら問題視し、メディアを焚きつけたのは民主党の輿石東代表代行だった。今でこそ輿石は民主党所属だが、世が世なら社会党の議員、本質は日本社会党そのものだ。簡単に形容すれば、日教組から国会に送り込まれた典型的な旧時代の反日サヨク。山梨県教組のボスで大分県で問題になったような談合やり放題、公務員法や公職選挙法に組織的に違反した疑いがもたれている日本の病巣のような所から国会にやって来た人物だ。

しかも日教組は、我が国における、北朝鮮の最大の支援団体の一つなのだから、高村発言で世論に火がつくことを恐れ、民主党の輿石議員はまるで福田首相と連係プレーを取ったかのように見えてしまう。こんなシニカルな見方などあり得ないと思っていたのなら、この人も相当おめでたい。
福田、高村ラインの媚支那・朝貢外交路線は、毒餃子テロ問題だけでなく、もちろん拉致問題でも日本人の生命、人権と国家主権を危うくするばかりだ。

▼7月5日渋谷、表参道で行われたデモ行進
RIMG3053.JPG奉天での日朝実務者協議が終わったが、予想通りの全く無意味な茶番に終わった。すでに米国のテロ支援国家指定解除をにらんで、外務省が秘かに画策している北朝鮮への制裁解除という既定路線に沿って、何とか拉致被害者家族会と救う会、調査会などの支援団体、さらに世論を騙しながら、北朝鮮との国交正常化に邁進しようとする福田政権の意図がとっくに透けて見えている。そんな極めて不健全で醜悪な状況の中に私たちは置かれている。

加藤紘一の7月7日の発言の意図は不明だが、一応、加藤は日比谷、東大というコースだったので考える能力はあるとすれば、日本人への挑発か、金正日への忠誠度を申告するためだったとしか思えない。そんな加藤に地村保さんが抗議のFAXを送っている
地村さんは「貴殿はそれでも日本人かと言いたい」とFAXで書き送ったのだが、地村さんの認識は前提が間違っている。加藤のこれまでの所業を見れば、日本人だと考える方が間違っているのである。

7月7日の加藤発言の直後、7月9日に国会内で拉致議連と家族会、救う会の記者会見が行われた。米国の裏切りに抗議し牽制する記者会見で、家族会は政府とも距離を置くことを初めて公にした記者会見だった。このとき、出席していた有本明弘さんは、平沼赳夫拉致議連会長が記者の質問に答えた後、間髪入れずに加藤紘一発言についてこう言った。だが、メディアは全く報道しなかった。
いつか何かの機会に書こうと思っていたが、ここでお伝えすることにする。
▼7月9日、国会内での記者会見。平沼赳夫議員と有本明弘氏の言葉

▼8月10日、特定失踪者の家族懇談会が初めて行われ、北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」の収録も
145.JPG8月14日、外務省は家族会、救う会に日朝協議を受けて説明を行った。その結果、家族会が今の動きを期待をしているかのように共同通信は報じているが、本当なのか? ややバランスを欠いた報道ではないのか? 斉木局長を家族会が信頼するのは過去の経緯からも十分あり得ることだが、私が取材している限りでは、福田首相への不信感は拭いがたいものがある。
そして、何よりも、北朝鮮への不信感は増え続けることがあっても減ることは絶対ない。これは家族会だけでなく、普通の国民なら誰でも同じはずだ。

ただ、今回大きな変化があったのは、再調査(外務省アジア大洋州局長の斉木氏は、再調査ではなく、あくまでもやり直しと言っているが)の中に、政府認定拉致被害者だけでなく「特定失踪者問題調査会」がリスト化している拉致の疑いが強い特定失踪者も含まれていることだ。北朝鮮が本当にそこまで受け入れているのなら、つい最近まで北朝鮮が「調査会」を罵倒していたことを考えれば、大きな変化かも知れない。
調査会の荒木和博代表は15日未明、以下の声明を出した。
[調査会NEWS 672](20.8.15)
■やはり「再調査」など認められない
       荒木和博

 昨日(14日)午後4時から1時間、内閣府で日朝実務者協議の説明が行われました。政府側は中山大臣と斎木外務省アジア大洋州局長ら、家族会は飯塚代表他10名、救う会全国協議会が藤野会長他2名、調査会が私と真鍋副代表の2名でした。

 時間が限られていたため調査会からの質問は真鍋が一回行っただけでしたが、全体を通して感じたことは、率直に言って「こりゃだめだ」というものでした。斎木さんは「協議の中で『再調査』という言葉は使わず、『調査のやり直し』と言った」と言っていましたが、いずれにしても「調査」自体が馬鹿げた話で、拉致をしていった側が「誰を拉致したか調べる」などという話はどう考えても理屈に合わないでしょう。

 唯一認められるとすれば北朝鮮のメンツを保つということで、まあそれでも何人か帰ってくるなら一定の成果はあったと言うべきでしょうが、それなら「調査委員会の設置」も「調査の進捗過程」の通報も全く無用です。例えば30日の期限を切って、「余計な説明は無用。それまでに全員出すこと。そうすれば制裁の一部解除を行う。しなければさらに制裁を強める」というのならともかく、途中の過程など、どうやったところで全くの作り話に過ぎないのですから、相手の話を聞く方が無駄です。

 逆に問題なのは、今回の合意からすると、北朝鮮側が例えば「調査委員会を作った。委員長は誰で委員は誰だ」とか伝えてくれば、それだけで日本は制裁の一部解除に入れるということです(もちろん世論の動向を見てでしょうが)。最初に制裁解除があって、それに理屈を付けているだけと思われても仕方がないでしょう。ちなみに4年前のとき出てきた調査委員会の責任者(?)は陣日宝という名前で、肩書きは「人民保安省捜査担当局長」でした。この名前の読み方「チニルボ」は「進一歩」と同じで、これは韓国語で「一歩前進」という意味です。これは実務者協議の日本側代表にわけのわからないオッサンを連れてきて「誠済矢目留」という名前にして出すのと同じことです。

 相手が中山大臣と斎木さんのため、家族会の人たちもかなり言葉を自制していましたが、福田総理が拉致問題解決のために強い意志を持っているとか、政府が一体となってやっているという二人の言葉を信じた人はいないでしょう。私たちはなおのことですが、その言葉が逆に二人に対する不信感を強めたことは間違いありません。そして、秋に満足のいく結果(すべての拉致被害者の救出)が出る可能性はほぼゼロです。たとえ数人が帰ってきても、逆に大部分は棚上げ(再調査の継続などの言葉でごまかすのでしょう)になるはずです。

 「再調査」の細部などどうでも良いことです。政府は「救出」と言わず「帰国」と言っていますが、些末なことを大げさに言い、言葉をごまかして拉致問題の全体像を少しでも矮小化しようとしているとしか思えません。国民の側の本質を見据えた姿勢、建設的緊張感が欠かせません。だめなものはだめと、はっきり意思表示をしていくことが必要不可欠だと思います。

 ちなみに調査会では緊急に下記の通りインターネットを通じて公開生中継を実施することにしました。ぜひ、今大事なことは何なのか、耳を傾けて下さい。
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公開大発言会のお知らせ

8月11日、12日に行われた日朝実務者協議では結局「再調査」の進行に合わせて制裁の一部解除を行うことが合意されました。誘拐犯が「私が誰を誘拐したか調べてみる」というなどまるで話しになりませんが、さまざまな形で最後のあがきを続ける北朝鮮当局をここで取り逃がすことはできません。私たちは様々な立場の人々の声をより多くの人に知っていただくため、次のような情報発信の場を設けます。全国・全世界の方々に対するアピールを、ぜひお聞きください。また、東京近辺の方は公開収録にぜひご参加ください。

1、 日時 平成20年8月22日(金)18:30〜20:30

2、 視聴方法
(1)インターネットによる全世界同時生中継
(株)ネットライブのホームページ(http://www.netlive.co.jp)からご覧になれます。
(2)生中継の公開収録
会場:UIゼンセン同盟会議室UIゼンセン会館2階会議室
(東京都千代田区九段南4-8-16 tel03-3288-3549)
※JR総武線、地下鉄有楽町線・南北線・都営新宿線市ケ谷駅下車3分 日本棋院斜向い
http://www.uizensen.or.jp/doc/uizensen/access.html
※参加費500円・どなたでも参加できます。

3、 内容
(1)今回の日朝実務者協議などに対する意見の発表
(2) 米国のテロ支援国家指定解除に対する意見の発表
(3) 北朝鮮人権問題に関する意見の発表
(4) 北朝鮮核問題に関する意見の発表

4、 発言者
(1)調査会及びしおかぜネットワーク関係者
(2)関係家族
(3)関連NGO代表・専門家等
1人5〜10分程度の発言を行う(海外からのメッセージも含め)
最後にアピールを採択する。

5、主催 特定失踪者問題調査会

さて、話を戻そう。7月17日、加藤紘一は安倍前首相に「北朝鮮そのもの」と批判された。以前から情報は入っていたが、その安倍氏は8月15日の終戦記念日、靖国神社に参拝する。じつは昨年も、安倍氏は病気による退陣がなかったら、首相として秋の例大祭には参拝するはずだったのだ。

column_NIKKAN_SPORTS.jpg※日刊スポーツWEBに連載中の「北京五輪の透視図」の第4回〜第6回が掲載されています。(4)誰にでも、忘れられない五輪の記憶がある (5)青空の見えない開会式 (6)柔道の金メダルに感じた昭和の薫(かお)り

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2008年08月08日

北京五輪の開会式にあわせて・・・

皇太子殿下が8月8日早朝に富士山をご登頂された。なお、引用記事の日本語の誤表記は私が添削した。皇族に「さま」という敬称をつけるのは明らかに日本語の間違いであり、そんなことをしているから、6月9日午後2時のNHK−BSニュースで女性アナウンサーが「皇太子さん」と言い間違える失態も起こり、その後の訂正も謝罪もなしという状況を招くことになる。

皇室用語を意図的に用いないという共同通信のプレスコードは、平成になってから顕著になり、日本文化と日本語を破壊している。
これは、ダライ・ラマ法王の言う「文化的虐殺」とどこが違うのか? 
皇太子殿下、富士山頂に=「大きさ実感」

 皇太子殿下は8日早朝、富士山(3、776メートル)に登られた。1988年8月にも挑んだが、悪天候のため8合目で引き返しており、ご登頂は初めて。
 7日に静岡県入りした皇太子殿下は、車で富士宮口新5合目に到着。山腹の宝永火口を経て御殿場口から登り始め、8合目の山小屋で1泊。小屋からご来光を眺めた後、午前6時半前に山頂にお着きになった。
 山頂で報道陣の問い掛けに応じ、「(富士山の)高さ、大きさを感じました。雨、霧、晴れと、その時々で山の表情が変わるので、行程が楽しかったです」と仰った。この後、火口を1周する「お鉢巡り」をしてから下山される。(2008/08/08-09:02)
毒餃子問題の隠蔽工作で、外務大臣を始め福田内閣の恥知らずな媚支那姿勢がますます明らかになってきた現在、皇室が高らかに早くから北京五輪開会式ボイコットを表明された意義は非常に大きかった。このところ、妃殿下への批判とあいまって東宮に対する風当たりも強かったし、それも当然だと思っていたが、今朝の富士山ご登頂は久々の快挙である。
善光寺がギリギリのところで聖火リレーの出発点を辞退したことにも繋がる。
これは、日本にとって大きな意味を持ち、日本滅亡を救った行いとして、将来讃えられるのではないかと思う。

そもそも皇室の北京五輪ボイコットを確定させたのは、4月2日づけ産経新聞の阿比留瑠比記者のスクープだった。産経が1面トップで報じたことによって、その後世界中を「皇室の北京五輪ボイコット」というニュースが下記のように駆け巡り、福田内閣の対支那外交における皇室利用作戦が頓挫することになった。
04/02/2008 10:23 AM
Japan's Royals Could Boycott Olympics

Japan's royal family have said they may not attend the Beijing Olympics after several different issues have popped up between Japan and China, as well as the unrest in Tibet. The issues include disputed gas fields and Chinese-made "gyoza" dumplings.
A government official was quoted as saying: "We were planning not to ask royals to go even before the gyoza incident (surfaced in January). It is all the more true now that the Tibetan unrest occurred."
There has been no formal decision made on whether or not the Royal family will attend the Olympics.
Source: news.yahoo.com
AFP News Briefs List
Japan's royals likely to skip Olympics: report

そして、今夜、開会式にあわせ、日本でも以下の抗議活動が予定されていて、世界中でチベット支援のキャンドルが灯される計画も大規模に計画されている。
告知.jpg

また、明日、8月9日には、午後4時から六本木三河台公園で在日チベット人が中心となり、「チベットを返せ!〜TIBET FOR TIBETANS〜」が開催される。デモの後、キャンドルライトも灯される予定だ。

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2008年08月07日

雷雨の中の野外劇。もう一つの靖国。

yasukuni_shibai.jpegそれはまるで古代ギリシャのコロスのような響きで観客に迫ってきた。実際に合唱隊がいたわけではないが、この戯曲のクライマックスになろうとする場面で、かすかに「ローエングリン」第1幕への前奏曲が流れ始めた。
8つに分けられたバイオリンの和音が無限旋律のように奏でられ、まるで天の啓示を思わせる。 実際、この、あえかな響きは、ワグナーの台本でも天使の群れに運ばれてきた聖杯が降臨してくるイメージとされている。

yasoukaiposter.jpg「おばちゃん、俺が死んだら蛍になって戻ってくるよ」
そう言って沖縄と日本を守るために飛び立った、特攻隊の少年の言葉が現実になった。蛍を見つけて驚きの声を上げ、泣きながら蛍を追う鳥濱トメ。トメの娘も涙を隠さない。
観客席からすすり泣きの声も漏れる。前列の20代とおぼしき青年も涙をぬぐっている。
ワグナーの「ローエングリン」は白鳥の騎士だ。この戯曲の特攻隊員たちも、さしずめ倭建命(やまとたけるのみこと)を象徴する白鳥であろはず。偶然なのか、これほど美事に符号する選曲のセンスに舌を巻いた。

8月5日、靖国神社境内で上演された野外劇「俺は君のためにこそ死ににいく」は千秋楽を迎えていた。午後4時半ごろ靖国神社周辺はスコールのような豪雨に見舞われた。とても今夜の上演はないだろうと思っていたが、午後6時ごろから雨が止む。そして、7時開演。雨に見舞われたのに客席はほぼ満席だった。原作者の石原都知事も姿を見せ、最後列で上演を見守っていた。

遊就観前の広場が特設ステージになる野外劇は3回目で、これまでも素晴らしい芝居を見せてくれたが、今回が最高の出来映えだった。原作は石原慎太郎脚本の同名映画だが、何よりも今回の野外劇は、演出の野伏翔氏の脚本が良かった。
若い世代に気づいてもらうように、英霊たちの尊い犠牲によって、現在の私たちが、現在の日本があることを、噛んで含めるように、何回も言葉のディテールを変えながらリフレインされる。
しかも、それが決して押し付けがましくなく、21世紀の平成の日本を生きる世代に自然と伝わるように脚本化されていた。これは、脚本と演出力のたまものである。

特攻隊員の魂が蛍になって知覧の町に舞い戻るクライマックスのシーンで、雨がまた降り出した。そして、冒頭紹介した「ローエングリン」第1幕への前奏曲が流れると、さらに雨足は強くなり、フィナーレでまた、雨が上がったのである。
フィナーレに流れる「ローエングリン」と「海ゆかば」の繋がりが驚くほどスムーズで、観客は完全に野伏氏の術中にはまった。
また、役者たちの好演の中でも、特に鳥濱トメを演じた石村とも子が光っていた。

かつてトーマス・マンは「ローエングリーン」第1幕への前奏曲を「存在するすべての音楽のうち、最もロマンティックな恩寵にあふれた前奏曲」と書いている。ワグナーと「海ゆかば」作曲の信時潔も不思議な符号を見せてくれた。
とにかく、この公演を成功させた全ての関係者に感謝したい。

そして、驚いたのは西村眞悟議員の秘書だった佐々木俊夫氏の演技だった。上演後、携帯電話で冷やかすと「素人は私だけでみんなに迷惑をかけました」と笑っていたが、なかなかのもの。高校時代に演劇部に所属していたという話を聞いて納得した。

ところで、「8・15と靖国の真実」にも執筆してもらったTAMAGAWA BOAT氏制作の動画、「YASUKUNI」はここで見られるが、念のためにミラーを制作した。
この動画はわずか4分27秒のものだが、李纓(リ・イン)監督が制作した123分の贋ドキュメンタリー、「靖国 YASUKUNI」より遥かに多くの情報量があり、あの映画より何倍も高いクオリティーで靖国の真実を伝えている。
映像を研究する人にとっても、4分27秒の映像が123分の映像より、多くの情報量を伝える例として興味深い事例となったのではないだろうか。

▼TAMAGAWA BOAT氏制作の「YASUKUNI」


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2008年08月05日

靖国神社は、日本の独立と平和を守る、ワンダーランド。

「8・15と靖国の真実」が発売

yasukuni表紙.jpg8月4日に撃論ムックの最新刊、「8・15と靖国の真実」が発売された。お近くの書店で是非、手に取っていただきたい。今年はアサヒも靖国を社説で取り上げる回数が激減したので、寂しい想いをしていたが、あんな映画が支那人の手で撮られ、しかも文化庁の助成金付という、何とも香ばしい話題が飛び出した。

面白いのは、あの映画へ文化庁の助成金が不正に出されたのではないか、という国会議員の追求が、反日マスコミに歪曲報道されて国会議員が表現の自由へ圧力をかけたという嘘報道が一斉に行われたことだ。一種の報道テロといっていいだろう。平成17年(2005)1月のアサヒによる「安倍・中川NHK政治介入嘘報道」と構造は似ている。
このムックではもちろん、あの映画のことも取り上げている。




▼クリックで拡大
yasukuniはじめに.jpg首相の靖国参拝? 政教分離? A級戦犯合祀?……
いつも騒然とした雰囲気で報じられ、語られる「靖国」。
しかし、そこには、本当の「靖国」はない。
静謐と、優しさと、国よ安らかなれ、と祈る、人々の鎮魂の心。
そして、今を生きる私たちのために命を捧げた、英霊たちに
おかげ様で、みんなこんなに元気だよ、とにぎやかな宴の様子を
そっと伝える、至福と感謝にあふれる空間。
それが、「靖国」。
「靖国」は、日本の平和と独立を守る、ワンダーランドの祝祭空間だ。

知識人も、学者も、ジャーナリストも、作曲家も、アーティストも、外国人も、
それぞれが語りつくす、それぞれの「靖国の真実」。

目次

◎巻頭特別座談会 8・15「以後」の言論空間と靖国神社
高森明勅/富岡幸一郎/杉原志啓/西村幸祐

◎総特集1 私たち戦無派にとって靖国とは何か
高森明勅/佐藤健志/大高未貴/青山繁晴/但馬オサム/TAMAGAWA BOAT/秋茜(AKIAKANE)/英霊来世(Arei Raise)

◎ドラクエの作曲家 すぎやまこういち氏インタビュー
私が経験した8・15と戦後の記憶

◎総特集2 映画「靖国 YASUKUNI」とは何だったのか
稲田朋美衆院議員インタビュー
「映画 YASUKUNI」問題を言論弾圧にすりかえた、朝日の卑劣
映画「YASUKUNI」に隠されたもの 前田有一
映画「YASUKUNI」と毎日新聞変態記事問題 西村幸祐

◎特集1 外から見た「ヤスクニ」神社 
石平/ロマノ・ヴルビッタ/林建良/劉美香/但馬オサム
◎特集2 もう一つの靖国論議 岩田温

◎新連載対談! サブカルチャーから見た戦後精神史 杉原志啓+西村幸祐
◎好評連載 西尾幹二/西部邁/西村幸祐/大月隆寛/岩田温/桜林美佐/宮島理/但馬オサム

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「日刊スポーツ」WEBの連載コラム「北京五輪の透視図」第4回が掲載されました。「誰にでも、忘れられない五輪の記憶がある」はここで読めます
posted by Kohyu Nishimura at 23:59 | Comment(3) | TrackBack(10)
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