九月十五日のリーマン・ブラザースの破産から、世界中が大激震に見舞われている。一気に世界を覆いつくした金融不安は、平成二十年(二〇〇八)の大きな政治イベントだった米国の大統領選挙にも影響を与えた。九月上旬にはそれまで支持を集めていた民主党オバマ候補に代わり共和党マケイン候補が優勢になったが、金融不安が表面化すると瞬時に形勢が逆転、オバマ候補が優位に立った。過剰自由主義経済とも言える金融資本主義を放任してきた共和党が、米国内の <気分> で劣勢に立たされたからだ。

 もっとも、民主党政権だったら市場原理主義や詐欺同然の金融資本主義が制約されたかと言えば、ことはそんな単純ではない。ブッシュの代わりにゴアが大統領に就任していたら、C02排出権が証券化されていただろう。今後オバマ大統領が誕生しても、米国のやりかたも衰退へ向かう足取りも基本的に変わりはない。