SINA free.gif
FTBbanner.jpg

2005年05月02日

4.28から5.3へ  主権回復への5日間

yoshia.jpgまず4月28日のことを書かなければならない。九段会館で行われた主権回復記念国民集会は今年で9回目を迎えた。昭和27年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し、日本がGHQの占領体制から独立した記念すべき日なのだが、全くこの日の重要性が顧みられないでいる。何度も書いているが、日本は、主権意識が希薄な国だから、拉致問題も領土問題も解決できないのだ。この日を祝日にしようという大会決議で締め括られたが、独立記念日とも言える4月28日の重要性を忘れてはならない。主権が回復したことになっていて、53年もたつのに、まだ占領憲法をお払い箱にできない日本人の非力さが、この3年間で噴出した拉致、領土、反日構造の全ての原因となっている。

shinbun_syuken.jpg昨日5月1日には「人権擁護法案に反対する市民の会」主催のデモと集会が行われた。ゴールデンウイークの最中に、500人のデモ行進が銀座を練り歩いたのだから、大成功だ。集会に招かれた私が、最初に「このような政治集会に参加するのが始めての方、手を挙げてください」と言うと、80〜90%の参加者が手を挙げた。この運動の性格を何よりも雄弁に物語っていると思う。この質問は、4月4日の集会に参加した方からメールで頂いた提案だった。講演で4月28日の主権回復記念日に言及し、国家主権と人権の関係について少し述べた。天賦人権説と異なった人権の概念として一番分かりやすいのが、国家主権と補完し合う国民の人権という概念だ。そんなことにも触れたかったのだが、どこまで参加者の方に分かって頂けたか自信がない。『人権擁護法案に反対する全国地方議員の会』が結成されたことも昨日初めて分かった。東京都杉並区議の松浦芳子さんが代表になっている。

非常に頼もしいことで、拉致問題でも地方議員の方が大活躍しているが、地方からの新しい政治の波として、硬直した体制に風穴を開ける動きとして高く評価したい。3月27日に行われた「大勉強会」も全国の地方議員が発起人となり、CS局のチャンネル桜が主催した「地方から国へ、日本から世界へ」がコンセプトになった意義深いイベントだった。既成メディアでないCS放送のテレビ局が主催したのも時代を感じる。米国流に言えば、米国の政治を動かす新しい潮流である、MSM(Main Steam Media)に対抗するブログとラジオのトークショーとなる。
yoshida1952.jpgそして、明日5月3日は占領憲法の呪縛を解き放つ、民間憲法臨調の第7回公開憲法フォーラムが開催される。私にとっては、主権回復→人権擁護法案反対→民間憲法臨調の公開憲法フォーラム、とハードなGWにドップリ漬かることになる。

西尾幹二氏のブログから興味深い話題をちょっとご紹介する。2年前の船橋西図書館の焚書事件で最高裁が動く。船橋西図書館・焚書事件 最高裁で逆転勝訴の可能性が見えてきた(一)船橋西図書館・焚書事件 最高裁で逆転勝訴の可能性が見えてきた(二)の二つのエントリーがある。言論弾圧を司法がどう裁くか興味津々だが、人権擁護法案とも非常に関連があるし、何かの巡り合わせだろう。センター試験の受験生による訴訟も動きがあることも西尾氏が伝えている。
「強制連行」は高校のすべての歴史教科書にのっているから出題は違法ではないと被告の大学入試センターは言い張っていたが、「新しい歴史教科書をつくる会」の調査で29冊のうち12冊の高校教科書に「強制連行」の記述のないことが明らかにされていた。
 すると入試センター側は主張を変え、受験生は中学時代にこの事実を教科書で学んでいたはずである、中学の教科書にはすべてのっている、だから自分らに責任はない、というとんでもない詭弁をひねり出してきた。
 悪いのは中学の教科書の検定にあり、国に責任があり、大学入試センターや出題者には責任がないという、これまた笑うべき遁辞を述べ立ててきているそうである。
 教科書が悪いのは検定のせいで、すべて国の検定に責任がある、とはつねづねの私共の主張ではあるが、それを理由に大学入試センターという「公」の機関が責任逃れを言い出すに至っては、小役人を風刺したゴーゴリの『検察官』をも思い出させる喜劇の一幕を見る思いがする。
教科書問題では、日本の歴史教科書を世界に正しく伝えるフラッシュがあることを教えられたが、本来なら文科省と外務省がやらなければならない仕事だ。
posted by Kohyu Nishimura at 23:59 | Comment(16) | TrackBack(14)
お読みになった方は各バナーをクリックして下さい。|blogranking.gif |にほんブログ村 政治ブログ メディア・ジャーナリズムへ |








この記事へのコメント
記事の末尾で紹介されているフラッシュですが、
引用されているのが東京書籍の記述だという話が一部で出ています。
扶桑社のものでないと意味がないのではないでしょうか?
つくる会のHPで紹介されている部分からは確認ができなかったので、
扶桑社の教科書を持っている人は確認して頂けるとありがたいのですけど。

ただ、フラッシュで伝えるというのはグッドアイディアだなと思います。
Posted by ぱぴるす at 2005年05月03日 05:05
日本の教科書を世界に正しく伝える、という趣旨からすれば、むしろ扶桑社の教科書「だけ」を紹介するのは間違ってる気がしますけどね。
Posted by at 2005年05月03日 07:52
たしかに扶桑社「だけ」でなくすべて紹介すればいいとは
思いますが、長くなりすぎて見にくくなるでしょう。
それに、特に扶桑社の教科書に対して「美化している」という
批判がなされているわけだから、扶桑社の教科書で反駁しないと、
私は意味がないと思います。

つくる会のHPで見た限り、例えば韓国併合でも、
「武力を背景に併合した」「激しい抵抗がおこり」
と書かれており、戦争を美化している記述はないことがわかります。

http://www.tsukurukai.com/05_rekisi_text/rekisi_pagefile/rekisi_text_35_57.html
Posted by ぱぴるす at 2005年05月03日 08:27
>特に扶桑社の教科書に対して「美化している」という批判がなされているわけだから、扶桑社の教科書で反駁しないと、私は意味がないと思います。

教科書問題に限定するとそうだが、「日本は戦後に誠意をもって謝罪しておらず反省が足らない国」という誤解を解くキッカケとしてはいいフラッシュだと思いますから、意味がないは言い過ぎかと。
一般の方が義憤に駆られて作ったモノにそこまで細かい注文をつけるのはどうかと思いますよ。文科省や外務省が作ったものなら別ですが。

扶桑社の教科書を用いた反駁は、扶桑社がとっとと中国韓国英語版を作ってHP上で公開するか、あるいは政府がやるべきことだと思います。


Posted by 一虎 at 2005年05月03日 11:23
このフラッシュは日本=侵略=悪を日本自身が度重なる謝罪ですでに認めている言っている。つまり、東京裁判史観を「35回に上る謝罪」を利用して補強する形を取っています。しかし、たしか首相で明確に謝罪したのは村山総理と小泉総理だけで、他は遺憾であるとか、反省とか、沈黙とか曖昧にしてあったはずです(確認していませんが)。なぜなら、謝罪する必要がないからです。

このフラッシュが日本を東京裁判史観の呪縛から解き放つためのものでないことだけは分かります。
Posted by 初めての投稿です at 2005年05月03日 12:07
中国外交部長は町村外相に対して
「日本の教科書は読んでいない」
と言ったそうです。彼等は「歪曲教科書」の具体的にどの社のどの記述か問題か明確に述べることすらできないでしょう。要は反日のための反日ですから。
フラッシュは問題の本質をわかりやすく広めるためには、よい出来だと思います。
Posted by Nikita at 2005年05月03日 17:09
 毎日新聞5月3日人権擁護法案特集は、この本案が国民の利益にならないことを証明した。
 拉致議連系の議員発言に制約になる以外、流れは解同の差別解消を後押しするのが目的ということしか言っていない。
 メディア規制がもつ国民への影響、さらに簡易迅速性も例証がない。自民党異論派の7点も紹介されていない。まったくもって何ら国民にメリットがないことが中途半端に紙面化した。本質的な問題は何か。産経・読売との論争も避けている、為にならない特集だ。
 部落差別解消の流れとこの法案を位置づけるのは解同と一部のマスコミだけ。残念ながら法案推進の中心団体である解同追随の毎日・朝日の唯一の論拠は、解同の言い分のみといえる。
 解同のくびきから一日も早く脱却すべき。でないとこの法案の本当の狙いである「差別禁止」が国民相互の言論表現を抑圧すること、そこの狙いがあうことが明らかにないからだ。
Posted by いし at 2005年05月03日 21:22
関係ない話題ですいません。
偶然、香ばしいブログを発見したので、西村さんの読者の方にご報告です。w

他山の石書評雑記
http://d.hatena.ne.jp/tazan/
当ブログは、NHK番組改変問題を告発した長井暁NHKプロデューサーと、記事を書いた朝日新聞の本田雅和・高田誠両記者を応援します。

これって、ネタじゃないんですよ。ちょっと読んだら目がくらくらした。私が早稲田にいた時も、きっとこんな馬鹿がいたんだろうな、と笑うに笑えない気分です。すいません、ネタみたいな投稿で。


Posted by 愛国のイージス at 2005年05月03日 21:49
一言だけ
>一虎さん
意味がないと言ったのは、このフラッシュを西村さんのblogで紹介すること、です。
つくったことに対して注文をつけたつもりはありません。
末尾にも書きましたが、フラッシュという手段は有効だと思います。
Posted by ぱぴるす at 2005年05月03日 22:02
いしさん

毎日の人権擁護法案の特集記事はネットで読めるのでしょうか?
見たんだけれど、見つかりませんでした。

Posted by いしさんへ at 2005年05月03日 22:30
「アジア太平洋戦争中、政府は大東亜共栄圏を唱え、欧米の植民地支配に代わって、共存共栄の新しい秩序をアジア地域に樹立すると称し・・・
・・・しかし、それは戦争遂行に必要な資源の確保をめざした、アジア侵略政策を正当化するためのスローガンに過ぎなかった・・・・
・・・その結果、大東亜共栄圏の美名とはうらはらに、中国や朝鮮、東南アジア、太平洋諸島の国々では、数百万にのぼる人々が、戦闘や虐殺、強制労働や飢餓などの犠牲となった。」

先ほど確認したフラッシュのバージョンではこの記述を表示する時間が以前より長くなっていました。
しっかり目に焼き付けて欲しいからでしょう。また、手元のつくる会の教科書(市販本)には該当する記述は見当たりませんでした。

いずれにせよ、このフラッシュは、「謝罪」の正当性を強調した「自虐の開き直り」にすぎず、電脳教科書補完録が「つくる会」の趣旨に賛同しているのであれば、そこに、肯定的にポスティングするのは、適切ではないと思います。

「自虐のなれの果て」という注釈でもいいかもしれません。
見終わると、惨めさだけが残りますが・・・
Posted by 初めての投稿です(2) at 2005年05月04日 06:59
>ぱぴるすさん
記事の末尾で紹介されているフラッシュですが、
引用されているのが東京書籍の記述だという話が一部で出ています。
(つくる会関連の記事とからめて紹介するなら)扶桑社のものでないと意味がないのではないでしょうか?

↑という意味だということですよね?
確かにこのフラッシュに引用されているのが扶桑社の教科書だったならベストでしたね。ただ導き方に少々異論があるとしても「こういうフラッシュがあるよ」と西村さんに教えていただくのは、単純に情報を得るという点で私としてはすごく助かるのですが。
Posted by 一虎 at 2005年05月04日 12:42
フラッシュの件について、ここで議論するのはどうでしょうか?議論するなら電脳教科書補完録の当該記事でできるわけです。
http://kyoukasyo.net/modules/news/article.php?storyid=96

ただ、一言言わせてください。
あの、フラッシュを西村さんが紹介したことの意味は、一虎さんのおっしゃるとおりだと思います。東京書籍の教科書がベースになっているのは酷いけど、少なくとも何もやらないよりはいいでしょう。疑問に思った人で、スキルのある人に、扶桑社版の教科書をベースにフラッシュを作ってもらいたいです。
いや、ほんと、少なくとも東京書籍の教科書をベースにしない英語、シナ語のフラッシュを見たいです。

ネットではさんざん出ているので皆さんご存知でしょうが、こういうフラッシュもあります。

大日本帝国の最後
http://www31.tok2.com/home2/teiteitah/emp_jp-1.html
Posted by 俊 at 2005年05月04日 13:42
俊さま

いいものを見させてもらいました。
最後は涙が止まりませんでした。本当にありがとうございます。
Posted by 内田 at 2005年05月04日 14:41
 先日主権回復記念国民集会の後の懇親会でご一緒させて頂いた磐南総合研究会の漆原です。
三島研に続き、先生とご一緒させて頂き、非常に楽しい時間を過ごさせて頂きました。
 
 主権回復の記事、トラックバックさせた頂きます。今後とも宜しくお願いします。
Posted by 漆原亮太 at 2005年05月04日 17:48
私も主権回復記念の集会に参加しました。

後半のパネル・ディスカッションで山谷えり子議員が新・憲法前文の草案というのを披露しました。
「さすが聖心女子大、メルヘンチックだ」と感心しましたが、画竜点睛を欠いていました。
徳目として、『勇気』が抜けている。

女史の前文に『勇気』を付け加えれば完璧と考えます。
昔、グスタフ・フォスという養老孟司の出た学校の校長先生が「戦後の日本人に欠けているのは『勇気』だ」と指摘していましたから。
Posted by Zhina at 2005年05月05日 11:18
コメントを書く。悪質な妨害を避けるためコメント欄は承認後、掲示いたします。
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL(複数のTBは削除する場合があります)


近代的思考で弾かれた日本的なもの
Excerpt:  戦後日本の社会学者の間に広まっているあるお決まりの日本人観がある。西洋が内面的な絶対基準に基づいて行動する「罪の文化」であるのに対し、日本は他人や世間の目といった外的基準に基づいて行動する「恥の..
Weblog: ある多摩人の憂国徒然日記
Tracked: 2005-05-03 03:13

『へうげもの』
Excerpt: 一応危機は去りつつあるようですが、管理人からの一言: 茶の湯の中において奇抜な形の具足のことを 『へうげもの』という。 そしてこの『へうげもの』を用い 茶の湯の世界で 「作為的なデ..
Weblog: 人権擁護(言論弾圧)法案反対!
Tracked: 2005-05-03 08:00

憲法改正
Excerpt: この条文と自衛隊の存在に矛盾を感じないというのは異常である。自衛隊が軍隊でないなどという言葉の遊びを本気で信じているとしたら知性を疑うしかない。海外から見た場合、自衛隊はまぎれもない軍隊であり、諸外国..
Weblog: 1喝たぬき
Tracked: 2005-05-03 16:45

「過去の歴史を反省していない」韓国大使は言うけれど
Excerpt: 「過去の歴史を反省していない」韓国大使が日本批判 http://www.sankei.co.jp/news/050420/sei047.htm
Weblog: 溶解する日本@WebryBlog
Tracked: 2005-05-03 21:00

最高裁焚書坑儒の再考>千葉の作る会に対する焚書坑儒
Excerpt: 「つくる会」の敗訴見直しへ 産経新聞4月19日朝刊
Weblog: 溶解する日本@WebryBlog
Tracked: 2005-05-03 21:04

北に先制攻撃やるぞ!!>在韓米軍指令官
Excerpt:  残念なことにっとは言いませんでした。(爆 言えないわけはありますね、そしていま言う時期でもない。 なにより凄いのは、たがが司令官がこういうこと言えるってことで、日本では考えられない。(爆 たと..
Weblog: 溶解する日本@WebryBlog
Tracked: 2005-05-03 21:24

憲法改正論あれこれ
Excerpt: 今日は憲法記念日ということで各所で憲法改正をめぐる集会が開かれました。ブログでも憲法改正に言及したエントリが目立ちます。憲法改正論議は今後もさらに白熱化していくことが予想されますので、拙ブログでも触れ..
Weblog: 福田::漂泊言論
Tracked: 2005-05-03 23:15

九条の会のハブとは?
Excerpt: ここが「九条の会」のオフィシャルサイトとなっています。 http://www.9-jo.jp/ 大概の方はここが中心と思われることでしょうし、 私もそれが妥当であるかと思います。ただあちこちの九条..
Weblog: * 園丁日記 *
Tracked: 2005-05-04 09:26

増元さん帰国 脱北者問題
Excerpt: スキン変えました。 かなり見易くなったんじゃないでしょうか。 ほんとは味も素っ気もないレイアウトがすきなんですが、 あまりにも見難かったんで。 さて、増元さん御一行御帰国で..
Weblog: 人生とんぼ返り
Tracked: 2005-05-04 11:04

”いつもここから”世相を斬る!
Excerpt:  暴走族風の二人が現れる・・・  ブンブンブン!葬式出したいのか!コノヤロメ!
Weblog: 美しい日本
Tracked: 2005-05-04 13:48

拉致問題風化のための小泉の時間稼ぎ
Excerpt:  今朝の産経新聞朝刊にこんな記事があります。
Weblog: 溶解する日本@WebryBlog
Tracked: 2005-05-04 15:52

安倍・アーミテージ会談 2005年5月3日
Excerpt: 昨日「2005年5月2日安倍・ライス会談>「日本の立場を全面的に支持し続ける」」を書きましたが、今日の時事配信でこんな記事があります。
Weblog: 溶解する日本@WebryBlog
Tracked: 2005-05-04 15:53

主権回復記念国民集会開催!
Excerpt:  4月28日、九段会館にて主権回復53周年記念国民集会が開催された。 講師には城内実氏(衆議院議員)、藤井厳喜氏(国際政治アナリスト)、山谷えり子氏(参議院議員)、八木秀次氏(新しい歴史教科書をつく..
Weblog: 漆原亮太の平成軍国少年今日もゆく
Tracked: 2005-05-04 17:49

政治運動化した人権擁護法案反対運動
Excerpt: 人権擁護法案反対運動をされている一人、平田文昭さんが、いわば「右の」市民運動を熱心にされているらしいことは、すでに私のブログで取り上げました。 なんか変なんだが、なにが変なんだ、、、 簡単におさ..
Weblog: 若隠居の徒然日記
Tracked: 2005-05-07 17:18




×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。