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2005年06月22日

永田町の水槽

平壌の水槽.jpg姜哲煥(カン・チョルファン)は物静かな青年だった。彼をインタビューしてからもう2年近くなるが、あの時まさか現時点まで拉致問題が未解決のままだとは思わなかった。姜哲煥の「平壌の水槽」は、フランス人ジャーナリスト、ピエール・リグロ(「社会評論」編集長)という良き理解者を得て世に問えた衝撃の書である。徹底した全体主義批判で知られるリグロは「共産主義黒書」の編纂にも携わっている真のリベラリストだ。「共産主義黒書・アジア篇」の刊行も待たれるが、恵雅堂出版の話によると翻訳が遅々として進んでいないらしい。リグロが真のリベラリストという意味は、日本の似非リベラリスト(欧米にもいるが)が旧思考サヨクであるという時代錯誤を、嫌というほど見せつけられている私たち日本人にとって、説得力を以って理解されるはずだ。盧武鉉大統領がブッシュ大統領と会談した直後、姜哲煥もホワイトハウスに招かれ、ブッシュ大統領と40分も会談をした。ブッシュは盧武鉉の15分より遥かに時間を割いたのだ。

ブッシュは姜哲煥に「もしあなたがアメリカ大統領なら、北朝鮮に対してどうしようと思うか?」と訊いたのだが、日本メディアでこの会談はほとんど紹介されなかった。朝鮮日報も日本語版サイトに「韓国人は、なぜ北朝鮮の人権蹂躙に怒らないのか?」と盧武鉉政権を批判したこの記事を掲載しないのは非常におかしい。

ブッシュ大統領と姜哲煥記メ.jpg
対話の途中、印象深かったことは、ブッシュ大統領が北朝鮮住民に対する深い関心をダイレクトに表現した時だった。大統領は「北朝鮮住民たちに何の罪があるのか? 飢えで苦痛を経験する妊婦や子供たちがとても可哀想だ。それで人道的支援と政治的問題は結合せずに、北朝鮮に多くの米を支援した」と言った。また「韓国国民は、北朝鮮のこんな実態を分かっているのか? どうして人権蹂躙に対して怒らないのか?」と問いかけた。
私が執務室を去るとき、大統領は私の本を持って来てサインを頼んだ。私は「北朝鮮の人権に対して関心を持ってくれた大統領に感謝する」と署名した。彼は最後にまた一緒に写真を撮って「またお会いしましょう。勇気を失わないで」と励ましてくれた。
私は、北朝鮮の人権に対してブッシュ大統領が共感し、関心を持ってくれたことだけでも収容所に閉じこめられている20万人の政治犯たちに大きい希望を与えたと信じている。私が大韓民国に亡命して達成しようとした、収容所の実態を満天下に知らしめたことを一番嬉しく思っている。ブッシュ大統領と会談しながら、収容所に閉じこめられ、名もなく、悔しく死んだ幾多の魂たちが少しでも安らかならんことを願った。
ブッシュの質問に姜哲煥はこう答えた。
「私がもし、アメリカ大統領なら、難しいことですが、まず支那を説得して脱北者たちの北朝鮮への強制送還を阻みます。二番目にすることは、国際社会と連携して北朝鮮の収容所を撤廃するために努力します。核問題はこの二つの問題が解けた後には解決します」と答えた後で、私はこう理由を述べた。「北朝鮮の核は国際的駆け引きで重要な問題ですが、北朝鮮住民の立場では、核より人権問題が優先だからです」
姜哲煥はこの記事で核より人権をと書いているが、彼は本当のプライオリティーを知っているはずだ。なぜなら、核問題も人権問題も、どちらが先に来ようとも、金正日体制が崩壊しなければ完全に解決しないことを身に沁みて知っているからだ。2年前、彼ははっきりと私にこう打ち明けてくれた。「北朝鮮の兵士たちはアメリカの空爆を待っている。早くイラクのように、この体制を倒してくれと言っている」と。

共産党党員で元赤旗平壌特派員のジャーナリスト、萩原遼氏が、突如、除籍処分を受けた。簡単に言えば粛清だ。理由は朝鮮総連を批判したり党の方針から逸脱したからだという。
共産党:朝鮮総連批判の作家・萩原遼さんを除籍−−「党の活動を攻撃」

 北朝鮮問題に対する活動や主張が党の見解と異なるなどとして、作家の萩原遼さん(68)が共産党を除籍されたことが分かった。通知文書は、不破哲三議長も出席していた先月の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のパーティー会場付近で朝鮮総連批判のビラを配布したことなどから、「党の立場や活動を攻撃している」などと理由を説明している。
 萩原さんは1958年入党。69年に共産党機関紙「赤旗」の記者となり、72〜73年に平壌特派員を務めた。その後フリーとなり、帰還事業の悲劇を描いた「北朝鮮に消えた友と私の物語」で99年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
 今月7日付の通知文書では、02年9月の日朝平壌宣言以降、萩原さんが元平壌特派員の肩書で「宣言を白紙に戻せ」などと主張している点を「元の肩書を使い、党とは異なる見解を発表することは党員の立場に反する」と指摘。先月24日の朝鮮総連結成50周年記念パーティーの会場近くで、萩原さんが所属する脱北者支援NGO(非政府組織)メンバーらと、帰還事業の批判ビラを配布した行為も「党員とは相いれない言動」とした。
 党の規約は「党員資格を明白に失った党員、著しく反社会的な行為で党への信頼を損なった党員は、慎重に調査、審査のうえ除籍することができる」と定めており、17日に党側との協議があり、正式に通告されたという。萩原さんは「党批判をしているのではない。今回の件は子供のけんかを親が買って出るようなもので、極めて不当な措置」と話している。共産党は、83年のミャンマーの爆弾テロ事件をきっかけに朝鮮労働党、朝鮮総連と関係を絶ったが、00年に朝鮮総連とは関係を正常化している。
 ◇共産党広報部の話
 個人の党籍や除籍などについては答えられない。
毎日新聞 2005年6月22日 東京夕刊
萩原氏が名誉会長になっている「北朝鮮帰国者の人権を守る会」の関係者は、「萩原さんは拉致事件の解決と北朝鮮の人権問題は同時に解決されるべきものだというスタンスで言論活動を行っていた。先月の総連の記念パーティに不破議長も招かれていたので、会場外で総連への抗議活動を行ったことが原因になったのではないか」と言う。その総連のパーティーには小泉首相もメッセージを送ったのだが、送るものを間違えているのではないだろうか? 日朝平壌宣言の有効性を仮に認めたとしても、北朝鮮は明らかな宣言違反を行っているのだから、自民党が送るべきものは制裁宣言のはずである。

「平壌の水槽」というタイトルは、姜哲煥が強制収容所に連行される前、子供時代に大切にしていた金魚蜂から取ったものだ。5年前にパリで出版された一冊の本が欧米で静かなロングセラーとなり、5年の歳月を経てブッシュ大統領の愛読書となった。24日から首相官邸前で座り込みを敢行する家族会は、5年前にも政府の食糧支援に反対して座り込みを行っている。誰が、また高齢の彼らに同じことを強いているのだろうか? 当時犯罪を犯したの河野洋平氏と野中広務氏、現在も制裁発動をできない小泉首相、何も見えない愚行を続ける岡田克也氏・・・。彼らは、家族会の人々にとって、永田町の水槽を泳ぐ金魚にしか見えないだろう。
posted by Kohyu Nishimura at 23:59 | Comment(7) | TrackBack(3)
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この記事へのコメント
河野洋平と岡田克也は政治家としての資質が疑わしい。
選出した選挙区民を心から軽蔑いたします。
Posted by さいたま at 2005年06月23日 09:09
西村さんこんにちは。
朝鮮日報の検索すると大統領との面会記事が他にもあり、
はすぐに分かりませんが、
姜哲煥(カン・チョルファン)さんが記者日報のところでブッシュ大統領との面談に付いて少し触れておられます。
「韓国さえそっぽを向く北の実態 」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/17/20050617000039.html

どうも失礼しました。


Posted by dochitebouya_usa at 2005年06月23日 13:45
岡田克也という名の三国人は、日本にいらない。
Posted by 異常な韓国 at 2005年06月23日 13:46
>共産党党員で元赤旗平壌特派員のジャーナリスト、萩原遼氏が、
>突如、除籍処分を受けた。

彼の所属している団体は、下記の記事の様な発言をしている団体です。
私には左翼間の内ゲバにしか見えませんね。

【特派員コラム】日本に責任問う北送被害者 鄭権鉉特派員
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/16/20050616000009.html
 同団体にボランティア参加しているハ・ビョンジュンさんはこのように話した。「北朝鮮にいる家族が被害に遭うのではないかと思い、これまで口に出せなかったが、これからは大声で言ってやるつもりです。北朝鮮の“地上の楽園”という宣伝に騙され、日本政府がそうさせのだから、これも拉致被害ではありませんか?」

 またのボランティアは「北朝鮮に拉致され帰ってきた拉致被害者たちは一生を保障してくれているのに、死地から脱出してきた帰国者らはみな生活保護対象者として、極貧な暮らしを強いられている」とし、日本政府の措置に怒りを露にした。


 日赤は北送事業推進に先立ち、国際赤十字社に「この事業により発生するすべての責任は日本赤十字と日本政府にある」とした。今や、その責任を公式的に認めるべき時が来たようだ。
Posted by ナイアガラ at 2005年06月23日 15:27
あの中国への媚び諂いぶり、岡田さん自身平和ヴォケや自虐史観に染まっているのでしょうし
政争に利用しているのもあるでしょう
実家のジャスコが中国に15店舗ほど進出している事も無関係ではないと思います
いわば私事を国政に持ち込んでいるような物ですな

6月23日 産経抄 遺棄毒ガス弾 村山富市と河野洋平について
http://www.sankei.co.jp/news/050623/morning/column.htm
Posted by オカラ at 2005年06月23日 15:46
戦時中の「日本の蛮行」が米教科書に掲載義務づけ?
アメリカでも教科書問題です。カリフォルニア州の議会で、旧日本軍によるアジアでの戦争被害を歴史教科書に掲載する法案が、在米中国人が作る反日団体の後押しで成立目前となっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann/20050623/20050623-00000015-ann-int.html

中国、強制連行訴訟案の適切な解決を日本政府に要求
劉建超スポークスマンは、「中国人労働者に対する強制連行、重労働強要は日本帝国主義が第2次世界大戦中、中国人民に対して犯した重大な罪の一つだ。日本政府は、歴史に対して責任ある態度をとり、真剣かつ適切に問題を処理すべきだ」と主張しました。
http://jp.chinabroadcast.cn/151/2005/06/24/1@43670.htm

参政権付与を要請 日・韓・在日ネット
地方参政権の付与を求めて運動している同胞市民団体「日・韓・在日ネットワーク」(共同代表、金敬得弁護士ら)は韓日首脳会談を前にした14日、「要請書」を小泉純一郎首相と盧武鉉大統領宛に送付した。
同ネットワークは学者、弁護士ら各界の著名人の賛同を得て発足、これまで東京とソウルでシンポジウムを開き、関連部署に要請活動を行った。
http://mindan.org/shinbun/news_t_view.php?category=13&page=33

気が滅入ってしまいそうです これは・・・
Posted by この国はいったい何処へ向かうのか? at 2005年06月24日 20:01
ご紹介の脱北者支援機構って、萩原さんが名誉会長をやっている組織と全く違うものですよ。
Posted by ナイアガラさん at 2005年06月26日 04:38
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