
家族会の熱い三日間の戦いが終わった。衆議院議員会館前の家族会・救う会の座り込みプロテストに、三日間で延べ2500人が参加した。26日の最終日は、日曜日ということもあり、700人が詰め掛けた。彼らの下を訪れた政治家は、初日は、安倍晋三自民党幹事長代理、平沼赳夫拉致議連会長(自民)、衛藤晟一前拉致議連会長(自民)、古屋圭司拉致議連事務局長(自民)、西村眞悟拉致議連幹事長(民主)らが駆けつけ、西村眞悟氏は二日目も家族会と共に終日座り込みを行った。最終日は中川昭一経産大臣と原口一博民主党議員が訪れたのだが、政治家の動きは寂しいものだった。

それよりも、25日に身分を隠して飲料水などを差し入れしたアメリカ大使館の動きの方が目立ってしまった。問題は、この座り込みで小泉首相が制裁に動くかどうかという点で、それに限って言えば可能性はゼロに等しい。何しろ、政府の拉致対策担当者が、いまだに曽我さん一家を北京に送り込もうとした杉浦正健官房副長官だからだ。

では、どういう効果を今後期待できるのであろうか? メディアは久々に家族会の動きを伝えたが、とても十分とは言えない。集会で有本明広さんから痛烈なメディア批判が出て、有本さんが言葉を振り絞りながら、拉致発覚後にNHKに裏切られたことを話すと、珍しく目に涙を浮かべた。内輪の集会という想いもあったのだろう。有本さんは想いの丈を吐き出した。

横田早紀江さんももらい泣きをして、会場は参加者からのメディア批判一色に染まっていった。無理もない。石岡さんの葉書が石岡家に届いた後に、有本さんは石岡さん、松木さんと記者会見を開こうとして、それをNHKの記者に潰されたからだ。横田さんご夫妻も、これまで口に出来ない悔しい想いを何度もメディアに対して抱いたはずだ。その証拠に、早紀江さんは眼鏡を外して涙をぬぐった。司会の増元さんは「有本さんと何年も付き合ってきて、涙を見たのは初めてです」と言った。

そこで、救う会の佐藤勝巳氏会長が「メディア批判ばかりしてもしょうがない。協力してもらうことが大切で、今日も多くのメディアの方がいらしている」と言った。正解である。批判すべきところは批判すべきだが、現場で熱心に取材している記者がほとんどだからだ。集会後、一般国民の立場からサイトやブログで情報発信をしている人たちが何人か集まった。その時、毎日私にメールで貴重な情報を知らせてくれるHさんが「救う会は広報委員会を作ればいいんです」と言った。これも正解である。たとえば、拉致問題に関心を持っている人でも、経済制裁をやることの意味が分からなかったり、制裁をするとすぐ戦争が起こるとか、テロが起こると思っている人もいるらしい。
これまで日本政府は三回北朝鮮に制裁をしている。大韓機爆破テロ、ラングーンテロ、テポドン発射の三回だか、そんな経緯や経済制裁の段階的実施方法や、何よりも、制裁をするからテロが起きるのではなく、すでにテロが起きているから制裁を課すのだいう、基本的な状況認識の広報活動が救う会に、今以上必要とされるのではないだろうか?
「諸君!」「正論」「WILL」「SAPIO」が総合誌でダントツで売れていると言っても、4誌の実売は50万〜60万部である。意識がそれほど高くない多くの人が読む一般メディアに、正確な記事を書かせるために、的確な広報体制を作る必要がある。
それでも、今日の収穫は座り込みに若い世代も参加していたことだった。集会の会場に少年三人組がいたので訊いてみると、中学3年生だと言う。親と一緒に来たのではなかった。「どういうきっかけで来たの?」と尋ねると、「インターネットで情報を集めています」と答えてくれた。集会に出た感想を訊くと、彼はこう答えた。
「工作員にするために拉致をしたという段階から、人質になってしまったんですよね。その変化が大変だと思います」
どっかの政治家に聞かせてやりたい言葉を、彼は間髪を入れずに返してくれた。別れ間際に「頑張ってください」と言われたのだが、私が彼らに言いたい言葉だった。心ならずも座り込みに参加できなかった政治家でも、この人はきちんとメッセージを発信する。
「申し訳ない」と陳謝 家族会座り込みに安倍氏
自民党の安倍晋三幹事長代理は26日午後、金沢市内で講演し、北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体が首相官邸近くで経済制裁発動を求めて座り込みを行ったことに対し「炎天下でそうしなければいけない状況に(家族らが)追い込まれていることは政治家として申し訳ない」と述べ、拉致問題の解決が遅れていることを陳謝した。
同時に「こうすれば(拉致問題解決の)結果を出せるという正しい判断を政府とともにしていきたい」と述べ、政府側に制裁発動の働き掛けを強めていく考えを示した。(共同)(06/26 20:58)

25日に千葉県市原市で行われた、特定失踪者古川了子さんの集会を「話の花束」の
「古川了子さんの事」というエントリーで知ることができる。千葉商業高校から失踪者が多いのだが、拉致の実行犯、協力者の恐ろしい地下組織について、
「WILL」8月号の「地村さん拉致実行犯と朝鮮総連」で加藤昭氏が詳細に書いている。必読のレポートだ。
posted by Kohyu Nishimura at 23:59
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遠地にいて何もお手伝いできないことを申し訳なく思います。
地村保さんのインタビュー
http://www.sankei.co.jp/life/mukiatte/050603_001.htm
http://www.sankei.co.jp/life/mukiatte/050610_001.htm
西村さんの挙げられた総合誌や産経新聞以外のメディアは、産経新聞が早くから拉致の疑いを指摘していたことが悔しいのでしょうか?そんな意地は早く捨てて欲しいです。
なんとかしてあげたい。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
読んでるだけで泣けてきます・・・
横田さんや有本さんの涙、どれほど今まで
流してきたのか、想像してもしきれません。
家にも高1の子供がいますが
この子とは、拉致のことや北朝鮮に関して
真剣に話し合ってます。
世代を問わず広げることしかない。
絶対に風化させるものか!!
350人くらいが参加していたが、90%は50〜60代。
家族会の人はみな年配者だし、「時間がないんです、小泉さん、助けてください、飯島秘書官はこれ以上私たちをいじめないでください」と悲痛な叫びを上げていた。
小泉はこの問題が自然に立ち消えるのを待っている。風化させようとしている。その張本人に「助けてくれ」と哀願するしか方法がないというのは悲劇である。
あと20年もすれば関係者は次から次へと亡くなり、やがて死に絶えてしまう。小泉や飯島はそれを待っている。酷薄な奴らだ。加害者の人権に過剰な配慮をし、被害者には泣き寝入りをさせる・・・ほとんど犯罪だ。
何かできることはないのかなあ・・・
一刻も早く拉致問題を解決してほしい。
次の選挙では反日、売国政治家サンたちを一人でも多く減らし、西村眞悟さんのような人をたくさん国会に送り出さなければ。
それに今のマスコミの風潮を少しでも変えるために反日の頓珍漢な事ばかり言うコメンテーターを
論破してかれらのいかがわしさをもっとさらすことも必要ではないかと思います。
一刻も早く拉致問題を解決してほしい。
次の選挙では反日、売国政治家サンたちを一人でも多く減らし、西村眞悟さんのような人をたくさん国会に送り出さなければ。
それに今のマスコミの風潮を少しでも変えるために反日の頓珍漢な事ばかり言うコメンテーターを
論破してかれらのいかがわしさをもっとさらすことも必要ではないかと思います。
あなたたちは、中学生よりレベルが低いのかってね。
私も25日と26日に参加をしました。
26日の集会では最後列に座っていたのですが、
周りにメディア関係者の方がいました。
その方がカメラに指示を出していたのですがその内容が、
「客席の発言があっても撮らなくていい。」
「横田さん夫妻の話を中心に。」
と、あまり関心が無いようでした。
こうしたメディアでも、
要望を出し続けてていけば採りあげてくれるでしょうか…
ちょっと気になったのは家族会の方が「小泉退陣」を叫んでいたことですね。
戦後60年になりますが、日本と朝鮮人(半島在住者・在日朝鮮人)の関係性は、改善よりもむしろ悪化しているような気さえします。
政治・経済・教育の分野に入り込んだ反日分子が日本の屋台骨をゆるがしていると思います。
拉致問題にしても親北朝鮮派や“穏健派”と称した腰抜け政治家のせいで長期化したと言えるでしょう。
この60年間で溜まりに溜まった膿を掻き出して、捩じれに捩じれた関係を改善するためには国民の意識の改革が不可欠だと思います。
『拉致』を北朝鮮に認めさせたのは小泉首相の功績だと言えます。
小泉首相が動くに動けないのは公明党という足枷があるからではないでしょうか?
国土交通相=公明党=創価学会の構図を一度考えてみる必要があると思います。
超えてはいけない一線を越えてくれたようです。(画像あり)
http://bbs.enjoykorea.naver.co.jp/jaction/read.php?id=enjoyjapan_16&nid=1470857&work=list&st=&sw=&cp=1
前にライブドアがフジテレビとこじれた時、ホリエモンのブログには1日で10万単位の人が訪れたそうです。
家族会のブログならもっと大勢の方に見て頂けるのではないでしょうか?しかもブログですから、全部公開されますし、動画も音声も簡単にアップロードできますよ。既存メディアにとって都合の悪い事もカットされません。そのブログを西村様のこのブログや「log」等で宣伝すれば良いのではないでしょうか?もちろん、微力ながらわしも尽力したいと思います。
折角ブログと言う新しいメディアがあるんです。それを活用しない、と言うのはもったいないと思います。日記を付けていらっしゃるようですから、それを全部とは言いませんが、一部でもブログに書けば、共感してくださる方も出てくるのではないでしょうか?
以上、僭越ながら提案させて頂きます。もうやっていらっしゃる場合は謝ります。私の無知ですからね。
今日の早朝にUPされた西村さんの27日付のエントリーを読んでください。
韓国の本当の姿を日本のマスコミは伝えていませんよ。