
今回の事故でますます明瞭になったのは、海上自衛隊の危機管理能力の脆弱さや情報隠蔽体質よりも、日本のメディアの知能指数の低さと品性の卑しさ加減だろう。機密漏洩に関与した海自三佐が取り調べ後に行方不明になっているような状況も最悪だが、海上自衛隊のダメさより、メディアのダメさの方が際立ったのではないだろうか?
特に朝日を筆頭とする左傾偏向メディアとテレビ報道の低レベルな自衛隊バッシングの雑音に呆れかえってしまった。
ちょうど、事故が起きた2月19日、TBSの朝の情報番組でみのもんたが「イージス艦っていうのは、こんな時間にほっつき歩いてるんですか!」というようなニュアンスの言葉を放言した記憶がある。正確ではないが、そのように感じられるニュアンスの発言だった。
で、その瞬間、もう、後の報道がいかに拙劣で、理性と知性と程遠い、扇情的な猥雑さにまみれたものになることが直感できた。しかし、みの氏を責めるのはお門違いかも知れない。なぜなら、別にみのもんたという人物が傑出して異常なわけではなく、ちょうど日本のテレビの作り手のレベルに見合った人物であるからだ。他の人間でも同レベルかそれ以下の感想しか放言できないのが、わが国のメディアの知能レベルなのだ。
何度も書くが、そもそも6年前に5人の拉致被害者が帰国した後、5人を北へ返せと言っていた鳥越とか、大谷とか、川村とか、山本晋也とか、姜尚中とかの金正日独裁テロ政権の支援者たちが、いまだに居座っているのが日本のテレビ界なのだ。
家族が捜索打ち切りを要望 イージス艦事故
01:41
新勝浦市漁協(千葉県勝浦市)の外記(げき)栄太郎組合長(79)は28日、行方不明の吉清治夫さん、哲大さん親子の家族らの要望として、海上保安庁と海上自衛隊、千葉県に29日以降の捜索打ち切りを要望した。
会見した外記組合長は「海上保安庁も海自も本来の任務がある。家族も事故発生から10日間、最大限に捜索していただいたという気持ちでいる」と話した。
一方、新勝浦市漁協は同日、川津支所に設置した事故対策本部を解散した。捜索打ち切りを要望している家族らに配慮した。
異常な今回の悲劇は、軍艦であるイージス艦が、わが国では軍艦としての行動を取れないことにほとんどの原因がある。現状の最高指揮官、福田首相はそもそも軍隊の最高指揮官に最もふさわしくない種類の人間で、その時点でお手上げだが、少なくとも石破防衛大臣が責任者の取調べを真っ先に行ったことは評価できる。ところが、異常な国の一部メディアでは海上保安庁より先にあたごの航海長を防衛大臣が聴取したことが問題となる。
その点、産経の野口裕之記者の2月28日一面トップ記事だけが核心に迫っていた。
そもそも軍艦に海上の優先権が与えられていないこと自体、異常なことだ。これでは海上警備出動が発せられていない時なら、自衛艦に易々とテロ攻撃を甘受せよと言っているのに等しい。支那や北朝鮮は注意深く今回の事故をウオッチしながら大嗤いしているはずだ。
防衛省の組織的おかしさは内局という背広組みが軍人である制服組の上に立つ参事官制度にあり、防衛省が真っ先に取り組むべきは参事官制度の改革であるはず。
結局、軍事を何も知らない素人が国民と自衛隊を危険に追いやり、守屋事件に見られる汚職と利権の温床になってきた。今回も石破防衛大臣に事故発生の伝達が遅れたのは内局職員、背広組みが連絡を怠ったからという見方が有力だ。
シビリアンコントロールを、背広組みが制服組をコントロールすることと勘違いしている小学生のような政治家、メディアが、今回の事故の最大の原因だろう。

80年代から日本に根を張り出した「いじめの構造」はメディアが作って来た。もともと自衛隊は左傾偏向メディアのいじめの対象になっていたが、一連の報道は防衛省昇格に原因がある。
かつての潜水艦「なだしお」や戦闘機と全日空機が衝突した雫石事故も、その後の事後原因調査で自衛隊側に否がないことが判明しているのに、朝日を筆頭とする当時のメディアは自衛隊バッシングの報道ファシズムを繰り広げたのだ。

いずれにしても、昨年発覚した守屋事務次官の汚職が原因で、昨年12月11日に主力戦闘機F15の近代化改修について、防衛省が予定していた32機分の予算が大幅に削られるような奇怪な事実に激しく抗議するメディアがないのはお寒い限りだ。改修は20機程度になったのだが、急速に近代化を進める支那の空軍力に対峙する目的の戦闘機改修予算が、不祥事の影響で財務官僚によって削られるって、頭おかしいんじゃないの?
こんな状況も事故の原因になっている。
※「岩田の日記」をブログリンクに加えました。
http://yaplog.jp/conservative/
※「苺畑から」をブログリンクに加えました。
http://biglizards.net/strawberryblog/
※「撃論ムック」で教育問題に関する読者投稿を募集しています。ぜひ、ご参加下さい。
ブログロールに加えていただいた「苺畑より」のカカシです。ありがとうございます!
実は「あたご」には知り合いの知り合いが乗ってまして他人事とは思えないのです。
ハワイマラソンでは「あたご」の乗り組み員が150人も参加して全員完走。次の日にはすぐ出航という厳しいスケジュールをこなしていました。
「あたご」はハワイで厳しい訓練と実験を終え、やっと4か月ぶりに家族と再会できるとほっとしていた帰り道だったのに、本当に残念です。
軍艦優先(日本の)大型船がこれに次ぐ、当然現場ではそのようになっていると思いますが、事故が起きて船の大小は関係ない暗黙のうちに死んだ者は悪くないの報道では事故の再発防止になりません。
イージス艦衝突事故。漁民と自衛隊を政治利用する、アホの西村幸祐
「いや、そもそも最新鋭装備なはずの「あたご」が漁船もろくすっぽ避けられないこと自体、異常なことなんだという事から論議を始めろよ。更にとんでもない方向に話は進んでおります。」
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20080305
たぶん、西村さんの分析のように頭の悪い朝日のような既存マスコミの影響だと思います。
西村さんのリンクにある佐藤守元空将のブログが非常にいい記事を連発しています。
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080305/1204687100
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080228/1204174702
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080225/1203922000
現実社会だけでなく、ネット上にも何が何でも保守勢力や、自衛隊を叩きたくて仕方が無い方々がウジャウジャいるんですよね…。
左翼・リベラル(保守もそうですが…)のブロガーさんの中でも、幸祐さんの批評によく噛み付かれる下記のブロガーさんの様に、罵詈雑言を頻繁に記されるブロガーの方々には、熱狂的な反日主義者になってしまった支那人や、朝鮮人が持つ殺気に似たようなものを感じてしまいます…。
解決不能
http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20080223/p1
>西村さんのリンクにある佐藤守元空将のブログが非常にいい記事を連発しています。
この佐藤元空将の様に良い記事を載せてくださるブロガーがもっと増えればいいんですけどね…。
また今回のことで自衛艦など公的目的を持った艦船の優先権について議論が始まるのを見て、朝日新聞が「事故を利用している」などとほざいています。 「お前が言うな!」ですよね
アメリカからのご訪問ありがとうございます。以前から時々貴ブログは、読ませてもらっていました。「あたご」のハワイでのそんなエピソードは知りませんでした。本当に残念な事故です。一刻も早い根本的な対策が必要ですが、日本のメディアの惨状を見ると・・・・
tatu99さま
まさにその通りなのですが、根本的な問題から目をそらす人が多いので、どうしようもありません。思考の空間が歪んできることに自分では気づかないものです。
たか様
コメントありがとうございます。ブロガーですか?(笑)ちょっと読みましたけれど、言葉で議論をするというタイプの人ではないようで、触らないほうがいいでしょう。
riberalistさま
いい名前ですね。僕は昔からリベラルという言葉が好きなのですが、本当の意味でのリベラルが日本に必要です。じつは、「リベラル保守」という概念を考え始めたところです。旧来の、保守vs革新という区分は大昔に時代遅れになっています。
ころ様
ま、アサヒは病気ですからね。でも、今回の事故で面白かったのは、「あたご」が事故の原因だと一方的に非難する連中や勢力って、冷静な議論が全くできないということです。そういう趣旨のまともな論説を見たことがありません。
ただ、海自は旧海軍の伝統を受け継いでいる部分が頼もしい反面、一方では困った面もと思います。最近、やっと帝国海軍批判が出てくるようになりましたが、大東亜戦争に関しては陸軍より海軍に遥かに敗戦責任があると思います。
wolfrayetさま
ありがとうございます。仰るとおりだと思います。過保護に海軍を擁護することは厳禁ですが、とにかく事実関係を明らかにして、私がここで述べた根本的な事故原因の除去を図ってもらいたいと切に思います。